空調機器の組み立て作業を行う製造ライン

支援について

支援前の課題

  • 各部署が個別に業務を管理しており、情報や指示書の管理が特定の担当者の経験知に支えられていた
  • 定年を控えたベテラン社員の頭の中にある工程管理のノウハウに再現性を持たせたい
  • 本社の販売管理システムと工場の生産管理システムなどを統合し、連携をより強化したい

現時点で生まれた変化

  • 工場・本社双方への現地インタビューとワークショップを通じて、現場の実態を可視化
  • 本社5名・工場5名による横断プロジェクトチームを組成し、週次で課題を共有する仕組みづくりを支援
  • 個人の経験に支えられていた工程管理や情報伝達のプロセスを言語化し、標準化に向けた土台を整備
  • 課題意識の共有を通じて、現場に「自分たちに何ができるか」を考える前向きな姿勢が生まれた

現状のアップデートに留まらない、抜本的な課題解決へ

きっかけは「既存の販売管理システムをアップデートする必要がある」という課題から。そのため当初の進め方としては、要件を元に新たなシステムを作っていく想定でしたが、議論を重ねていくうちに「現状のアップデートに留まらない、抜本的な課題解決が必要ではないか」という課題意識が顕在化しました。そこで、販売管理だけでなく生産管理も含めた事業全体の全貌を見える化した上で、最適なシステムを考えていくことが本質的であるという考えから、プロジェクトの前提そのものを方向転換しました。

まず現場を知ることから 〜 ヒアリングとワークショップによる可視化

本プロジェクトでは、はじめに現場へのヒアリングとワークショップから着手。工場・本社それぞれの立場で語られなかった課題が次々と明らかになりました。進捗や情報の共有方法や、製造工程を効率化するための、より円滑なコミュニケーションの必要性など、実態を可視化したことが、その後のプロジェクトを進めるための土台となりました。

カヤックボンドのメンバーに現場の状況を語る暖冷工業の社員

頭の中にしかなかった工程管理

ヒアリングを通じて浮かび上がったのが、定年まで数年に迫ったベテラン社員の経験と技術力によって支えられた製造工程。依頼された案件ごとに、ゼロから起こす図面は数万点に上ります。また、これらの進捗の采配はベテランによる経験と感覚によるものが大きく、この「見えないノウハウ」をどう仕組み化できるかが、プロジェクトの核心的なテーマとなりました。

ワークショップで使用したファンコイルライン業務フロー全体図

本社と工場、垣根を越えたチームづくりへ

今回のプロジェクトでは、本社・工場混成のチームを組成し、週次のミーティングで小さな課題を出し合う運用を開始。課題意識を共有する場ができたことで、これまでにない両者のコミュニケーションの場が生まれました。プロジェクトは道半ばですが、新たな風がグループ全体のこれからを後押ししつつあります。

業務フロー図に気づきを書いた付箋を貼っていく参加者の手元

暖冷工業グループのシナジーを図る会社横断ワークショップ

業務でも密接な関わりを持つ暖冷工業株式会社と水戸暖冷工業株式会社。今回カヤックボンドは、両社を横断した意見交換や相互理解を深めるために、およそ1日のワークショップを実施しました。

全体像をそろえる・変えるべきことを考える・優先順位をつける、の3ステップで構成されたワークショップの流れ図

「自分には関係ない」の壁を越える、業務フロー図ワーク

今回のゴールは「何かを決めること」ではなく、「決めるための材料を広げ、明らかにしていく」こと。参加したメンバーは営業や製造管理など、部署や役職の垣根を越えて4人ずつの3グループに分かれました。

部署を越えた4人のグループで業務フロー図について話し合う参加者

今回は、とある製造工程のフローを書き出した図を基に、主担当ではないメンバーも含めて不足しているステップがないか、気づきや感想などの意見を交換していきました。

また、グループ内でそれぞれ発表し、認識を擦り合わせていきながら、現状の理解を重ねていきました。

グループ内で気づきを発表し、認識をすり合わせる参加者

明文化されていない課題を共有する、ペイン/暗黙知カードワーク

後半では、事前のヒアリングで各所から浮かび上がってきた「困りごと」をペインカード、「皆なんとなく分かっている明文化されていないこと」を暗黙知カードとし、それらを皆で読み、選び取っていきながら、改善の優先度について議論を進めていきました。

メンバーを入れ替えて他グループの意見を共有する参加者

まずはグループ内で意見を共有し、5つのカードを選定。その後はメンバーを入れ替え、それぞれ他のグループの意見や状況を共有していきました。最終的に、どの課題がもっとも重要であるかを個人で投票し、今回のワークショップは終了しました。

ワークショップに参加した暖冷工業グループの皆さまの集合写真

参加者の声

今回参加して、今の問題点を可視化・共有できた点において本当に有意義な時間でした。また、今日の話は参加していない人たちにも共有することが大事だと思っています。

ワークショップを通じて話し合い、仲良くなっていくことで、今後も垣根を越えて仕事ができるんじゃないかなと思いました。また、自分自身も本社で行われていることに興味を持つことが大事だなと気づく機会になりました。

これまで、今の段階で実現可能なことだけを考えていたことに気づきました。ですが、今すぐ実現することが難しそうな課題も、話し合いに出すことで進められるようになっていくため、口に出していくことが大事だと思いました。

PJメンバー内田様より

例えば、5年後、10年後には、今回参加したメンバーの誰かが会社の大きな決断をしていく立場になっていると思います。そうした将来のために、今から自分たちが中心となって意見を提案し、話し合い、より良い選択を共有していくことで、会社の未来は明るくなるのではないでしょうか。

 

また、今回の場を通じて、あらためて一人の力では課題解決を実現できないと感じました。皆さんの一つひとつの声を基に、会社を変えていければと考えています。

本プロジェクトにおける支援内容

  • 現場ヒアリング設計・実施
  • ワークショップ設計・ファシリテーション
  • 横断プロジェクトチームの組成支援
  • 業務プロセスの可視化・標準化
ペインカードと暗黙知カードを読みながら議論する参加者